アドフェストでグランプリ獲得!視覚障害者のために開発された特殊なインク

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サムスンが実施した視覚障害者のためのインクを開発した事例。アドフェスト2017 ダイレクトロータスのグランプリに輝いています。

TOUCHABLE INK / SAMSUNG (2016)

視覚障害者の方々が情報をやり取りする点字ですが、点字を印刷できるプリンターは非常に高価らしく、150万円もするそうです。そんな背景をもとに、サムスンが開発したのが「TOUCHABLE INK」という全く新しいインク。印刷後にドライヤーや電子レンジで温めると膨張し、点字として浮かび上がってくるという特殊なインクです。ふつうの家庭用プリンターで使え、自宅で安価に点字を印刷できるというイノベーションを起こしました。

このアイデアが素晴らしいところは、一般的なインクジェットプリンターで使えるインクを開発した、という“汎用性”に立脚したアイデアであること。視覚障害者向けのプリンターが高価であるという課題に対するアプローチとして、「点字を印刷できるプリンターを安価にする」という方法もあるのですが、あくまで「どんなインクジェットプリンターでも使える」という方法を取った点が素晴らしいと思います。

また、プリンターの機能価値を訴求するのではなく、プリンターを販売するサムスンが社会に対してどんな価値を提供できるか、という問いが起点になっている施策だとも思います。実際にインクを開発するという“ブランドアクト”に基づいた強いコミュニケーションで(CMのようなフィクションの世界で完結していない)、生活者とポジティブな関係を作り出した事例だと思います。

以上、ソーシャルイシューに向き合ったサムスンの事例紹介でした。 

※記事内の画像はYoutubeよりスクリーンキャプチャ